渋谷を「通過する街」から「回遊する街」へ
東急株式会社では、同社が主体となり、訪日外国人旅行者の街歩きを促進するデジタルパス「SHIBUYA PASS」の実証実験を進めていました。
渋谷は訪日外国人旅行者の訪問率が高い一方で、ハチ公像やスクランブル交差点などを訪れた後、そのまま別のエリアへ移動してしまうケースも少なくありません。街全体を回遊してもらい、飲食や買い物、体験コンテンツへつなげることがプロジェクトの目的でした。
そこでOnwordsではマーケティングパートナーとして参画し、広告運用とサイト改善の両面から集客を支援しました。
購入につながるユーザー像が見えない状態からスタート
実証実験の開始当初は、「どの国・地域に、どのような訴求をすれば購入につながるのか」が明確になっていませんでした。
そこでまず、訪日客の多いアメリカ、オーストラリア、シンガポールを対象に広告配信を開始。海外でも知名度の高い「SHIBUYA SKY」を入口にしながら、SHIBUYA PASSに興味を持つユーザーへアプローチしました。
一方で、広告からサイトへの流入はあるものの、購入にはなかなか結び付かない状況が続いていました。
コンバージョンの見直しと配信エリアの最適化
改善にあたって最初に見直したのは、広告運用で学習の指標としていたマイクロコンバージョン(MCV)の設定です。
当初は「商品詳細ページへの遷移」をMCVとしていましたが、購入との関連性をより高めるため、「予約ボタンのクリック」など、購入に近い行動へ変更しました。
また、広告配信エリアも見直し、アメリカ全土ではなく、まずはカリフォルニア州を中心に配信。その後、成果を見ながら対象地域を広げていきました。
こうした調整により、購入意欲の高いユーザーへ効率よく広告を届けられるようになり、サイト来訪後のCVRを改善する基盤が整いました。
ヒートマップ分析で離脱ポイントを可視化
広告運用と並行して、サイトの改善にも取り組みました。
ヒートマップ分析を行ったところ、ページ上部で離脱するユーザーが多いことや、カレンダーの操作が分かりづらいことなど、購入を妨げる要因がいくつか見つかりました。
そこで、ユーザー導線やUIを見直しながら改善を進行。広告運用だけでなくサイト体験もあわせて検証することで、コンバージョンを阻害しているボトルネックを洗い出し、改善施策へとつなげています。
約1か月でコンバージョン数が約5倍に
改善施策の実施から約1か月で、コンバージョン数は約5倍に増加しました。
Google検索広告ではクリック率(CTR)が13%台で推移するなど、検索ニーズの高いユーザーへ効率よくアプローチできたことも成果につながっています。
今回の取り組みを通じて確認できたのは、広告運用だけではなく、コンバージョン指標の設計やサイト導線の改善も成果に大きく影響するということです。
SHIBUYA PASSのような新しいサービスでは、広告配信・サイト改善・データ分析を組み合わせながら継続的に見直していくことが、利用促進につながることを示した事例となっています。