インバウンド需要が高まる春節(旧正月)の大型連休に合わせ、国内で展開する洋菓子ブランドのプロモーションを支援しました。台湾・香港市場の心理特性に合わせたクリエイティブ設計と旅マエでの情報接触を組み合わせることで、商品の認知形成から購買意向の醸成までを一貫して設計。記事完読者アンケートでは94%が「買いたい商品がある」と回答し、市場ごとの反応傾向の違いも確認されました。
本記事では、市場ごとに異なるユーザー心理に着目しながら、旅行前の情報接触をどのように設計し、購買意向の形成につなげたのかをご紹介します。
限定商品の強みを、旅行前の検討につなげることが課題
対象商品は、国内でも限られた地域や店舗でのみ購入できる高級スイーツです。こうした限定性は大きな魅力である一方、海外旅行者からの認知は十分とは言えず、お土産候補として想起されにくい状況にありました。
春節シーズンは、中華圏からの訪日需要が大きく高まる時期です。しかし旅行先には数多くの定番土産が存在するため、現地で偶然見つけてもらうだけでは選ばれにくいのが実情でした。
そのため、旅行中の偶発的な購買に期待するのではなく、旅マエの段階から情報接触を図り、訪日時の購入候補として想起してもらうことが重要なテーマとなっていました。
台湾と香港、それぞれ異なるユーザー心理に着目
今回の施策では、「購買行動は旅ナカではなく旅マエから始まっている」という仮説をもとに導線を設計。
Meta広告で興味を喚起し、WAmazingのタイアップ記事で商品理解を深め、読後アンケートで反応を確認する。一連の導線を設計することで、単なる認知獲得に留まらないコミュニケーションを目指しました。
配信データを分析すると、台湾と香港では反応傾向に明確な違いが見られました。
台湾では、情報を保存したり共有したりしながら旅行計画に組み込む傾向が強く見られたのに対し、香港では、商品の背景や贈る相手を想起させるストーリー性のある訴求への反応が高く、市場ごとの特性の違いがうかがえました。
こうした違いを踏まえ、市場ごとに訴求内容やクリエイティブを最適化。それぞれのユーザーインサイトに基づいたコミュニケーション設計により、旅マエ段階での商品理解と想起形成を図りました。

市場ごとにクリエイティブを最適化
台湾向けには、保存やシェアを促す旅行情報型のクリエイティブを展開。一方で、香港向けには、お土産を贈るシーンや商品の背景ストーリーを想起させる表現を用い、感情面への訴求を強化しました。
広告から誘導する記事は両市場共通とし、商品の特徴に加え、購入場所や限定性といった旅行者にとって実用的な情報を掲載。旅行前の情報収集段階で商品理解を深めてもらう構成としました。
また、記事末尾には完読者のみが回答できるアンケートを設置。最後までコンテンツを読んだユーザーの反応を取得することで、購買意向に近い層の声を収集できる仕組みを整えました。
さらに、広告配信後はコメント欄の反応も継続的に確認。「どこで購入できるのか」「本当に限定商品なのか」といったユーザーの疑問や反応を観察し、今後の訴求改善に活用しています。
保存・シェア行動の獲得と、市場別インサイト
施策期間中は、旅行前に情報を保存したり共有したりする行動も確認されました。19日間の配信で、CTRは2〜4%台で推移し、投稿保存は1,074件、シェアは528件を記録。クリックによる一時的な興味喚起にとどまらず、旅行計画の参考情報としてストックされる反応が見られた点も特徴的です。
また、記事完読者アンケート(有効回答477件)では、94%が「買いたい商品がある」と回答。さらに56%が「3か月以内に来日予定」と回答しており、比較的来日意欲の高い層との接点創出につながりました。
今回の施策では、商品の限定性そのものを訴求するのではなく、その価値を市場ごとのユーザー心理に合わせて伝えることを重視しました。台湾では保存・共有を前提とした情報訴求、香港ではストーリー性や贈答価値を意識した訴求がより高い反応を示すなど、市場ごとの特徴も確認されています。
旅マエの段階で適切な情報接点を設計することが、商品理解や購買意向の形成につながる。今回の取り組みは、その有効性を示す一例となりました。