海外インフルエンサーを起用したPRでは、キャスティングや投稿内容の企画と並行して、もう一つ早い段階で確認しておきたいことがあります。
「PRする商品を、そもそも現地へ送ることができるのか」という点です。
特に医薬品や化粧品、食品などを扱う場合、商品の成分や性質によって輸送条件が変わる可能性があります。国内で通常販売している商品でも、同じ感覚で海外へ送れるとは限りません。
Onwordsの支援現場でも、海外インフルエンサーへPR商品を発送しようとした段階で、商品の成分により通常想定していた方法では発送できないことが判明したケースがありました。
この記事では、この経験をもとに、商品を使った海外インフルエンサー施策で企画初期に確認しておきたい「海外発送」のポイントを整理します。
この記事のポイント
- 国内で通常販売している商品でも、成分や性質によって海外への輸送条件が変わる場合がある
- 発送可否の確認が遅れると、代替手段の検討によって施策進行に手戻りが発生する可能性がある
- 海外PRでは、企画初期に商品の成分・輸送条件・宛先国の条件まで確認しておく
海外インフルエンサーへ商品を送ろうとして、初めて分かった輸送上の制約
Onwordsが支援した海外向けインフルエンサー施策では、日本で販売されている商品を現地のインフルエンサーに使用してもらい、SNSで紹介する企画を進めていました。
ところが、商品を海外へ発送する段階でメーカーへ確認したところ、商品に含まれる成分の関係から航空危険物として扱われており、当初想定していた通常の国際航空便では発送できないことが判明しました。
ここでのポイントは、商品自体が国内で一般に流通していることと、国際輸送が可能であることは別の話だということです。
日本郵便では、国際郵便として送ることができないものに航空危険物を挙げています。たとえば引火性液体、高圧ガスなどが該当し、商品の種類や成分によっては条件を満たしていることの確認が必要になります。
実際、日本郵便の「航空危険物等品名検索」では、化粧水やハンドクリームなど身近な商品についても、アルコール濃度や高圧ガスの有無などに応じて国際郵便の引受条件が示されています。
つまり、「このカテゴリーの商品なら送れる・送れない」と一律に判断するのではなく、実際に使用する商品の成分や性質まで確認する必要があるのです。
発送段階で分かると、施策全体の手戻りにつながる
海外インフルエンサー施策では、商品到着後に撮影や投稿制作を進めることもあります。
そのため、キャスティングや企画が決まり、商品を発送する段階になって初めて輸送上の制約が判明すると、別の受け渡し方法を探さなければなりません。
今回のケースでは、幸いにもインフルエンサー側の関係者に来日予定があったため、日本国内で商品を購入し、現地へ持ち帰ってもらう方法で対応しました。
もしこの方法が取れなければ、日本から現地へ渡航する関係者がいないか探すなど、別の方法も検討する必要がありました。
今回は代替手段によって施策を進めることができましたが、発送可否を企画初期に確認しておくことで、こうした想定外の対応や手戻りを減らすことができます。
なお、国際郵便で送れないことと、航空機の手荷物として持ち込めることは同義ではありません。手荷物についても商品や容量等によって条件があるため、実際に利用する航空会社等への確認が必要です。
確認するのは「発送方法」だけではない
海外PRで商品の発送が必要になったとき、配送会社を決める段階で初めて「この商品は送れるか」を確認する運用では、手戻りが起きやすくなります。
商品を使った海外施策を検討するのであれば、企画初期の段階で少なくとも次の点を確認しておきたいところです。
- 商品に輸送上の制限につながる成分・性質がないか
- 想定する配送方法で取り扱い可能か
- 発送にあたって追加の確認や書類が必要ではないか
- 宛先となる国・地域側に輸入・郵送上の条件がないか
- 通常の発送が難しかった場合に代替手段を取れるか
特に注意したいのが、配送会社だけで判断できるとは限らないことです。
商品に含まれる成分やその性質については、メーカー側でなければ確認できないケースもあります。実際の施策では、配送事業者のルールだけでなく、商品情報やメーカー確認を組み合わせて判断する必要があります。
また、日本郵便も、国際郵便として引受可能なものであっても、宛先となる国・地域で禁制品や条件付き許容物品となっている場合があるため、国別条件表を確認するよう案内しています。
「商品を現地へ届ける」までを企画に含める
海外インフルエンサー施策では、「誰に発信してもらうか」「現地ユーザーにどう訴求するか」といったコミュニケーション設計に目が向きやすくなります。
しかし、商品を実際に使用してもらう企画であれば、商品がインフルエンサーの手元に届くこと自体が施策成立の前提です。
特に医薬品・化粧品・食品などの商品では、商品カテゴリーだけを見て発送可否を判断するのではなく、実際に使用する商品の成分・性質や、配送方法、宛先国の条件まで確認する必要があります。
海外PRを企画する際は、
「誰に、何を、どう発信してもらうか」
だけではなく、
「その商品を、どうやって現地まで届けるか」
までを企画初期の確認事項に含めておく。
実際の支援現場で起きた今回のケースからも、発送手配を始めてから確認するのではなく、企画段階で商品輸送の成立性まで確認しておくことが、後工程の手戻りを減らすうえで重要だと分かります。
まとめ
商品を使った海外インフルエンサー施策では、国内で通常販売している商品だからといって、そのまま海外へ送れるとは限りません。
商品の成分・性質、配送方法、宛先となる国・地域によって条件は異なります。
だからこそ、発送担当者が商品を手配するときに初めて確認するのではなく、施策を企画する段階で「この商品は現地へ届けられるか」を確認することが大切です。
キャスティングやクリエイティブだけでなく、商品を現地へ届ける工程まで含めて施策を設計することで、発送直前の想定外や手戻りを減らすことができます。
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